「参加型リサーチの可能性」について、一緒に考えてみませんか?
なぜ「参加型リサーチ」なのか?
「参加型リサーチ」とは、企業や研究者だけでなく、調査テーマに関わる当事者やコミュニティ(市民、サービス利用者など)がリサーチプロセスに積極的に関わり、ともに知識を生み出していくアプローチです。従来の研究者が一方的に当事者を「調査対象」として扱う方法に対し、当事者を「パートナー」として位置づける点が最大の特徴であり、参加型デザイン、コ・デザイン(Co-Design)といった共創型のデザインアプローチとも深い関係があります。
UXリサーチやデザインリサーチの文脈においても、ユーザーを単なる観察対象ではなく、問題の発見や解決策の創造をともに行うパートナーとして位置づけることで、多様な視点を取り入れながら潜在的なニーズや深いインサイトを捉え、より実践的で、より社会に根ざした成果を生み出すことが期待できます。
「シチズンサイエンス」とは?
今回は「参加型リサーチ」の中でも、「シチズンサイエンス」の考え方や実践事例を手がかりに、市民や生活者が主体的に関わるリサーチの可能性を探ります。ご登壇いただく福岡大学の森田先生はシチズンサイエンスの専門家で、太宰府市を拠点に市民参加型の探究活動を推進し、経営学の視点から「探究する文化」の醸成に係る研究に取り組まれています。
みなさんは、「シチズンサイエンス」という言葉をご存知でしょうか?
大学や研究所に勤務して研究する人を「職業科学者(職業研究者)」と呼ぶのに対して、職業科学者ではない人、つまり生活者や市民が関わる研究および知的生産のことを「シチズンサイエンス」と呼ぶのだそうです。また、シチズンサイエンスの活動の多くは、市民ボランティアがデータ収集や分類に参加する形式が多いものの、近頃はより深く関与しながら企業や行政などと協働・共創する形式も生まれているそうです。
今回は「シチズンサイエンス」の考え方や企業における活用事例を紐解きながら、専門家や研究者だけでなく、企業や地域の人々が協働することで、リサーチはどのように社会に広がり、未来のサービスや仕組みづくりにつながっていくのかを参加者のみなさまとともに考え、実践のヒントを持ち帰る1日にしていきます。
もっと詳しく知りたい方は、福岡大学商学部シチズンサイエンス研究センターのnoteをぜひご参照ください。
(参考)参加型リサーチで共創するソーシャルイノベーション - LINEヤフーコミュニケーションズ社の事例
他にも見どころたくさん!
他にも、チャリチャリ株式会社の野田 大貴氏、株式会社メルカリ R4Dの草野 孔希氏をお招きし、参加型リサーチの実践事例についてお話いただきます。
チャリチャリ株式会社では、生徒が主体となって地域課題の解決に取り組む那珂川市との共同プロジェクトや自転車を活用した市民参加型のアップサイクル活動、スポーツチームや企業と連携し、スタジアム周辺の交通課題の解決やスポーツツーリズム促進に挑戦する活動に取り組まれています。持続可能で魅力ある都市づくりの取り組みに関する事例をご紹介いただきます。
株式会社メルカリ R4D Labは、産学官の連携による課題の発掘から社会実装まで、共通のゴールに向けた分野横断研究に取り組むことで、メルカリのミッションである、あらゆる価値が循環し、あらゆる人の可能性が広がる社会の実現を目指しています。今回は草野さんより、循環型社会に向けた「自分ごと」から始まる価値共創のデザインプロジェクトについてお話いただきます。
最後に、登壇者間のパネルディスカッションを通じて、みなさんとともに参加型リサーチの可能性について考えます。
博多会場では懇親会も予定しておりますので、福岡のリサーチ実践者との交流をぜひお楽しみください。また、YouTube Liveでもオンライン配信もございますので、ぜひ福岡エリア以外の方もご参加ください!
イベント概要
【開催日程】10月31日(金)19:00 - 21:00
【形式】博多開場/オンラインのハイブリッド
【会場】LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
(福岡県福岡市博多区博多駅中央街8-1 JRJP博多ビル12F)
【参加費】無料
【申込方法】connpassページのお申込みフォームよりお申し込みください。
https://research-conf.connpass.com/event/370532/
【タイムテーブル】
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19:00 ~ 19:10 オープニング
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19:10 ~ 19:30 Speaker Talk#1 (福岡大学/一般社団法人ヒマラボ 森田 泰暢氏)
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19:30 ~ 19:50 Speaker Talk#2 (チャリチャリ株式会社 野田 大貴氏)
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19:50 ~ 20:10 Speaker Talk#3 (株式会社メルカリ R4D 草野 孔希氏)
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20:10 ~ 20:15 休憩
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20:15 ~ 20:45 パネルディスカッション
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20:45 ~ 20:50 Sponsor Session (coming soon)
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20:50 ~ 21:00 クロージング
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21:00 ~ 21:30 懇親会
【こんな方におすすめ】
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リサーチに関わる職種の方(参加型の手法を自分の仕事に取り入れたい)
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地域や社会課題に関心がある方(市民として、行動を起こすヒントを得たい)
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企業で新規事業や商品開発に携わる方(ユーザーとの共創の可能性を探りたい)
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学生や教育関係者(探究学習や地域連携のヒントが欲しい)
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「シチズンサイエンス」って何?と気になった方(まずは話を聞いてみたい!)
登壇者
森田 泰暢 福岡大学商学部 教授/一般社団法人ヒマラボ代表理事
福岡大学商学部でシチズンサイエンス研究センターを運営し、一般社団法人ヒマラボ代表理事として太宰府市を拠点に市民参加型の探究活動を推進。経営学の視点から「探究する文化」の醸成に係る研究に取り組む。特に鳥類学における市民研究活動を対象に、アマチュアとプロフェッショナルが共生する持続可能な探究エコシステムのメカニズムについて調査している。
野田 大貴(nodaiki) チャリチャリ株式会社/経営管理部 部長
福岡が好きすぎて移住しちゃったはんなり系関西人。 awabarやAFTER THE RAINによく出没。 2011年、三井住友信託銀行入社。九州全域や関西で法人営業を担当。 2019年、福岡へ移住しRKB毎日放送に入社。番組編成や経理財務、新規事業開発やスタートアップ支援を担当。 2025年にチャリチャリに入社し経営管理部に所属。 社外活動としてラグビーチーム「ルリーロ福岡」のお手伝いや、個人でスタートアップ企業の広報PR支援なども展開。
草野 孔希 株式会社メルカリ R4D
電気通信大学大学院修士課程修了後、通信事業会社の研究所に入社し、デザイン方法論の研究および研究知見を活かしたコンサルティングに従事。同時期に社会人博士として慶應義塾大学院大学システムデザイン・マネジメント研究科にて博士後期課程を修了 博士(SDM学)。2018年11月にメルペイへ入社し、UXリサーチを活用したサービスデザインに取り組む。著書「はじめてのUXリサーチ」。
モデレーター:難波 佳代子 株式会社プレイド UX Researcher/フリクラ副部長
福岡県出身。新卒で靴の販売・ブランディング立ち上げを経験。靴の販売員から真逆のことにチャレンジしたいと思い、BtoBのデータベースマーケティング、 BtoCのデータアナリストを経て、Retail AIのUXリサーチャーとしてデザイン組織の立ち上げや自社決済アプリ開発など同社グループ小売の購買体験設計に従事。現在はプレイドにてSaaSプロダクトの定量・定性両軸のデータ分析の土壌づくりを行いながら、プライベートではユーザーリサーチの講師や複数のリサーチコミュニティの企画・運営に携わる。
では、また次のレターにてお会いしましょう!
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